読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

takkaaaan blog

多分色々書きます

「グランド・ブダペスト・ホテル」


f:id:takkaaaan:20150124195023j:image

★9/10

最高だった!まったく前情報も無い状態で観たので、てっきりかなりの奇人変人が出てくる、いわば三谷幸喜有頂天ホテルの海外版みたいなものかなと思っていたのだけど(実際奇人変人まではいかなくても魅力的なキャラクターはかなり多かったけど)全然違った。はっきり言ってこれはホテル関係無いよね!

つまりホテル内部で巻き起こる問題の数々の話ではないということだ。この映画はグランド・ブダペスト・ホテルというホテルで働いているコンシェルジュとベルボーイの2人の冒険映画だったのだ。そこに続々と登場する茶目っ気のあるキャラクターたちとクスクスと笑えてしまうユーモア。かと思えばおっかなびっくりな演出もあったり。ミステリー的な展開まで待ち受けている。なんだか書いていて頭が悪そうな感想なんだけど本当にそうなんだから仕方がない。

キャラクターがとても魅力的だ。
コンシェルジュ(ホテルの総合世話係)に当たるグスタヴという人物が面白い。まず、女性が好き。それもかなり年齢層は幅広い。お金持ちの奥様方にはサービス精神を惜しまない。(色んな意味で)ただ自分の仕事には誇りを持っている人だ。そしてホテルに対しての愛情も人一倍高い。ホテルのホスピタリティには完璧主義を求めているし、自分自身にも完璧を求めている。そしてとてもロマンティックな人だ。最初は「なんだか変な人だな」と思いながら観つつも途中からはグスタヴの魅力をたっぷり堪能出来る作りとなっている。相棒のワトソン役は移民としてホテルにやってきた(時代背景はかなり昔なのだ)ベルボーイのゼロ。二人の最初の出会いはまずベルボーイに成り立てのゼロを発見して面接するところから始まる。そこからグスタヴが自身の経験を元にゼロに対して教育を施していくわけなのだが、まぁこの2人の掛け合いがいちいちキュートだ。爆笑とはいかないまでもクスクスと笑えてしまう。2人のキャラクターはとっても可愛らしく撮られている。実際にグスタヴの動きはなんだか可愛いらしい。

そこから物語の動きはホテルの良きお客様であるご婦人マダムD(ご老人とも言える)が事件にあい、亡くなってしまう出来事が起こる。そして何故だか知らないがこのご婦人、グスタヴにメロメロだったのよね。それはグスタヴも過剰な愛をご婦人に対して行っていたからとも言えるのだけど、そのメロメロ具合は遺産相続の話にも及んでいた。その家の家宝にも当たる特別な絵をグスタヴにプレゼントするといった内容だったのだ。実際にマダムDの家に行き遺産相続の話を聞いたものの、それに対して息子のドミトリーくんブチ切れ。「お前にやるもんは何もねぇ!消えろ!」とブチ切れ。そのまま帰るかと思いきや、その特別な絵を盗んじゃうグスタヴとゼロ。そしてそのまま帰ってしまう。そして時を同じくして、絵を盗んだのとは全く関係の無い理由でグスタヴは警察に疑われることになる。何故だかマダムDを殺したのがグスタヴという話になっているのだ。

といつの間にかあらすじを書いてしまっていたけれど物語の展開が面白い。この時点で全くホテルのこと関係無くなってるのだから。そこからは本当に色々な出来事や人がこの二人を襲ってくることになる。ただ何故だかシリアスさはほぼ皆無である。全体的にこの映画に漂っている空気は吉本新喜劇にあるような茶番ともいえる寸劇だと思う。映像の古臭さや各キャラクターたちのちょっとコミカルな動き、「絶対わざとだろ!」というチープな演出などユーモアがふんだんに包まれている。勿論途中にはシリアスさもあるし全体的に明るい内容がずっと続く訳では無い。この物語の幕の締め方はちょっぴりセンチメンタルだ。「こういう時代だものね」とは思うものの魅力的なキャラクターだから余計に切なかったりもする。

じゃあグランド・ブダペスト・ホテルはユーモアのある作品だけなのかと言うとそんなことはない。何故だかキュートな雰囲気も詰まっている。このキュートさは映像の色使いに起因しているんじゃないだろうかと思う。グランド・ブダペスト・ホテルの外観やケーキ屋の車の内装のピンクの色使いが最高に可愛いらしくて最高だ。ケーキ職人の女性を演じたシアーシャ・ローナンの可愛さも多分というか、絶対ある。後は出てくる人達の服装が僕には魅力的でたまらなかった。個人差はあるかもしれないが、後半のシーン、ケーキ屋の車の中に突っ込んだ、あのケーキだらけの中での一面ピンクの色合いになる映像を観て何も感じない人はいないだろう。あのシーンだけでもこの映画の魅力は伝わるはずだと思う。

見終わった後の満足感の高さはかなりのものだった。良い映画というのはこういう作品にあるのかもしれない。