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takkaaaan blog

多分色々書きます

cero『Obscure Ride』

音楽

 

Obscure Ride 【通常盤】

Obscure Ride 【通常盤】

 

 

cero『Obscure Ride』

最初から言い訳になってしまうという、なんとも情けない始まりですが、僕はいまだにこのアルバムについての答えを見つけることが出来ていません。「そんなもんねえよ!」ってことくらい分かってるよ。でも、自分の中で「ああ、気持ちよかった」って理解したい気持ちってみんな持ってるはずだと思うんですよね。勿論「全然分かんないけどこのアルバムすげーや!」という気持ちになっちゃう音楽も沢山存在することも分かってます。書きながら「俺は何を言いたいのだろう」と若干混乱もしてきてるんですけど…。(伝わってくれ!)

 

つまりこの『Obscure Ride』というアルバムは僕が想像しているよりもずっとずっと大きくて器の広いアルバムだったのだと思います。今になってようやく分かってきたのですが、これは聞き手にある程度の「能力」を求めてくるアルバムなのだと思います。作品に漂う微妙なニュアンスを感じ取り理解できるかどうか、それは作品全体から感じる不穏なイメージの答えや、『Obscure Ride』という物語の理解へと繋がるのだと思います。ただ、これが本当に素晴らしいと思うのですが、このアルバムはそのニュアンスを無視しても全然楽しめてしまうくらいポップなアルバムなんですよね。「おい!おもっきり矛盾してんじゃねーか!」はい、その通りなんですよ。困ったことに(いや、別に困っちゃいないんだけど)楽曲を繋ぐ演奏のシームレスさのおかげなのか、はたまた「Summer Soul」、「Orphans」という2曲の「ceroの"歌"ではなく私の"歌"」と感動を抱いてしまう普遍的なポップソングのお陰なのか。『Obscure Ride』は「みんな」と「ひとりぼっち」を行き来出来る、ポップでありながらニッチなアルバムになっています。

 

今となってはこの作品が2015年、いや2010年代を振り返った時の最重要アルバムという位置に置かれていることに全く異論はありません。彼らがどこまで意識的に計算して作ったのかは今の僕にはまだはっきりと理解できませんが「Wayang Park Banquet」の冒頭のあの瞬間の音、「Summer Soul」の《やがてすぐ 雨はどこかへ 消えて見たことない夕暮れに》がはっきりと分かる場面の移り変わる音、電話の音、風の音、街の音、話し声。聞き手である僕達が『Obscure Ride』に乗りながら現実と非現実を行き来するための装置といってもいいニュアンスが計算と偶然(のはず)によって埋め尽くされています。ただその変化を感じ取ることは、あくまでも聞き手である僕達に委ねられている。そのバランス感覚があまりにも高いため、ある種の気持ち悪さも同時に感じてしまったのだと思います。ここまで書いてようやく分かってきました。


ceroは本作で自らを折衷的であるとし、借り物としてのソウルミュージックを鳴らしました。ただ、そこで語られる物語と音楽が合わさることによって生まれたのは等身大の僕らの日常を彩る、新しい形のソウル(でありポップ)ミュージックでした。物語が音楽を必要とし、音楽が物語を必要としている。そんな奇跡みたいな作品に出会えたこと、本当にそれこそが奇跡みたいなものですよね。


最後に、この『Obscure Ride』を上手く乗りこなすにあたって、参考になる素敵な記事がいくつかあります。僕自信が大変お世話になったことも含め記事のリンクを記載して終わりにします。

 

cero / Obscure Ride - 特設サイト

cero / Orphans / 夜去 - 特設サイト

cero 1stシングル『Yellow Magus』 - 特設サイト

cero『Obscure Ride』(Rough) - いまここでどこでもない

cero 『Obscure Ride』(Raw) - いまここでどこでもない

cero『Obscure Ride』 - 青春ゾンビ

Obscure Ride - DJホームラン

cero「Obscure Ride」 - lost&safe Blog

Cero「Obscure Ride」 - 徒然なままのアルバムレビュー

ceroの『My Lost City』を聴いた : pitti blog

 

さあ、あなたも『Obscure Ride』で一緒に旅に出ませんか?